随分と昔の事である。長江の畔、凡そ漢陽の辺りに一軒の料亭があつた。料亭と云つたが、大した物では無い。民家の広い一間を、其れと為してゐたのみである。客は、多からずして絶えずと云つた處である。 店主は辛と云つた。猛禽類のやうな白眉に、霜のやうな…
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